令和元年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告」 初年次教育科目

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

本分析は、「学習成果実感調査」の対象となった、「複眼的思考で見る多様な世界」1クラス、「日本語表現1」10クラス、「日本語表現2」6クラス、「ハテナソンセミナー」2クラス、「熊本・山鹿フィールド」1クラス合計20クラスの結果を総合したものである。当該科目の学習を通じて大学で学ぶ意欲が高まったかを尋ねた設問5において「強くそう思う」32%、「そう思う」42%、両者で74%、大学で学ぶための知識を得たりスキルを伸ばすことができたかを尋ねた設問6において、「強くそう思う」34%、「そう思う」44%、両者で78%となり、共通教育科目の在り方として概ね良好な結果を得ているといえよう。授業満足度も総じて高い。総合的な科目満足度を尋ねた設問11においては「強くそう思う」48%、「そう思う」37%となり、合わせて85%にも及ぶ。ただ、自分の専門外の学問分野について興味・関心が高まったかを尋ねた設問7においては「強くそう思う」30%、「そう思う」36%、両者で66%であり、さらなる改善が期待される。リレー式科目である「複眼的思考で見る多様な世界」については、自由記述からは様々な人の体験から多様な視点を得られたとの好評を得られた。また、担当教員の熱意を感じたかを問うた設問8において、「熊本・山鹿フィールド」では、「強くそう思う」85%、「そう思う」10%、合わせて95%という極めて高い肯定回答を得たので特筆しておく。本分析対象である5つの科目は、それぞれ性格が異なるので一概にはいえないが、履修者の動向やニーズに留意しながら、科目内容の今後の改善を図っていきたい。

2. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

学ぶ意欲の喚起と学びのためのスキルの修得、多様な視点を学生に提供しており、基盤的な共通教育科目としての役割を果たしている。

(2)1と2において確認された改善すべき点

科目の効果や受講者の満足度は、概ね良好ではあるが、専門外への関心喚起など、さらなる改善の余地があると思われる。リレー式講義については、本学の各センター組織からの出講とすることで、科目としての統一感が進んでいるものの、講義者の個性とのバランスを図ることが必要であろう。

3. 次年度に向けての取り組み

「自己発見と大学生活」は、科目として発展途上にあり、円滑な実施体制の確立と、教材等のさらなる改善に取り組むことが必要であり、実際にティーチングガイドの大幅な改訂が図られた。また、「自己発見と大学生活」の学生ファシリテータの安定的な確保のための施策と、更なるスキル向上を目的の一つとしたファシリテーション科目が開講される予定である。
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