平成30年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 人間科学教育科目

1. 「学習成果実感調査」についての分析結果

人間科学教育科目全体での評価を見ると、「この講義で学びの面白さを感じた」か、「この講義に満足している」か、さらに「自分の専門外の学問分野についても理解が深まった」かという設問に対して、例年同様に6割から7割の履修者が「強くそう思う」、「そう思う」と回答していることから、本年度も一定程度目標は達成されているといえる。
しかし「この講義を受講するにあたって、もっとも重視したもの」としては、「講義内容」を挙げている受講生は本年度も4割ほどにすぎず、「開講曜日・時限」を挙げている受講生が3割以上いることは、体系的な知識の習得をはかるという人間科学教育科目の理念とは必ずしも相容れない面をもつことを示している。
「準備学習等(事前・事後学習)を平均して何時間しましたか」という設問にも約5割が「30分未満」と答えていることから、本年度も十分な学習成果が挙げられたかどうかに関して、より精細な調査が必要な結果となった。
「基本科目と展開科目の関連性を考えて履修した」かを尋ねた設問で、「強くそう思う」「そう思う」と答えた者が一昨年度は約半数いたが、今年度は昨年度同様に4割に留まったのは、「基本科目」と「展開科目」のセット履修の義務を外した影響が現れたものと思われる。

2. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

人文・社会・自然科学の各領域において、「基本科目」と「展開科目」という枠組みでカリキュラムが設定されており、加えて自らの専門領域以外の学問分野を履修することが義務づけられているために、多面的に幅広い教養を身につけ、体系的な知識の習得をはかることができる。

(2)1と2において確認された改善すべき点

十分な学習成果を上げるためには準備学習等を毎回着実に実施する必要があるが、本年度の調査でも、「30分未満」しか準備をしない受講生が多く、なかには準備せずに出席する学生が少なくないことが想定されることから、準備学習の実施率がどの程度であるかについてより精細な調査が要請される。

3. 次年度に向けての取り組み

「基本科目」と「展開科目」のセット履修の義務が外され2年が経過したが、それが学生の履修選択にどのように影響したかを知るため、今後の動向を確認する必要がある。
準備学習の実施率がどの程度であるかを、より精密に確認できるようにするために、調査方法を検討する。
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