平成30年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた
「年間報告」 外国語教育科目

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

本調査は選択必修科目「たのしく学ぶ○○語」、「○○語エキスパート」及び「上級日本語」全153科目、4,555人の履修者を対象に実施され、144科目、3,242名から回答を得た。実施率は94.77%、回答率は71.17%であった。上記科目で学習する言語は英語以外の諸外国語(独、仏、露、西、伊、中、韓、越、インドネシア、日)で、多くの学生にとっては初めて接する外国語であり、制度上その大多数が春学期から継続して履修している。
設問7では、平均で70%以上の学生が「この科目を受講したことで、外国語への興味・理解が深まった」と答え、また、設問8(総合的にみてこの授業に満足している)では、言語にかかわらず、科目に対する満足度が平均約80%と高い割合に達していた。学生が選択した外国語との出会いと学習に肯定的な印象を持ったことがわかる。従って我々が重要テーマとして掲げる「英語以外の外国語学習への興味・関心を積極的に喚起する」という目的は一応達成されたと言うことができるだろう。
「エキスパート」科目と「たのしく学ぶ」科目の比較においては、前者の満足度は、総じて後者よりも高かった。そのほか、「目標を持って受講することができた」(設問4)、「自らの成長を実感することができた」(設問5)と感じた学生についても、「たのしく学ぶ」科目を上回っていた。このことから、多様化する学生の需要に応えることのできるこの二種類の選択必修科目の枠組みが、それなりに良い形で機能していると言えることがわかった。
英語以外の外国語は、卒業後のキャリアを支えるツールの一つだが、就職活動でアピール可能な程度にまで上達するには継続的な学習が不可欠である。高い満足度を次年度以降の継続学習に繋げるしくみに更なる工夫がもとめられる。
また、設問2-1, 2-2及び設問3から、履修に際してシラバスを確認した学生は約70%と少なくないものの、その内容を理解し、実際の学習に役立てられていない状況が浮き彫りになった。学生の自主的な確認に任せるのではなく、初回授業等におけるシラバスの内容紹介をさらに徹底する必要がある。到達目標を明確に提示することで、目標を持った学習へ誘導することが可能となり、更には自らの成長を実感させることにつながると考えられる。

2. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

選択必修科目に「○○語エキスパート」と「たのしく学ぶ○○語」という2つのコースが設定されていることで、学生の異なる需要に応え、高い学習効果を期待できるカリキュラムである。

(2)1と2において確認された改善すべき点

より多くの学生に自らの成長を実感してもらうためには、シラバスの確認を徹底し、到達目標及び事前事後学習の方法に関する指導を強化する必要がある。

3.次年度に向けての取り組み

本学の英語以外の外国語教育科目は2年次以降の選択科目も多数設定されている。現在開講している選択科目が内容・開講数の点において、学生が1年次の選択必修科目で感じた満足度及び外国語への興味・関心を次に繋げることに成功しているかどうかの検証が求められる。
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