平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 英語教育科目
1.「学習成果実感調査」についての分析結果
本年度は基礎レベルのカリキュラムを変更したため、基礎レベルクラスのみにおいて調査を実施し、昨年度までのカリキュラムと結果を比較した。前カリキュラムと同様、本年度の基礎レベルも全般的に他のレベル(初級~上級)と比べると英語学習に関する興味、関心が低く、授業を通しての成長の実感や授業への満足度も低い傾向にある。特にカリキュラム変更をした1年生科目に注目すると、基礎英語(総合)Ⅱ(TOEIC Bridgeを取り入れた授業)は低く、この結果は前カリキュラムの基礎英語(TOEIC)Ⅰより低く、基礎英語(総合)Ⅰと同程度であった。一方で新たに1年生から導入した基礎英語(コミュニケーション)Ⅱは満足度も高く、コミュニケーションの授業を通して英語への興味、理解が深まったことが分かった。
2.「ワークショップ」についての報告
必修英語カリキュラム独自の研修会を実施した。概要は以下の通りである。
①日本人TOEICクラス研修会(秋学期に向けての研修会)
日時 | 平成29年9月13日 午前9時から午後1時 |
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場所 | 京都産業大学1号館(107教室/ 108教室) |
参加者 | TOEICクラス担当の専任4名、実学英語講師18名、非常勤講師4名(計26名) |
プログラム概要 | リスニング指導法 および TOEIC新形式対策ディスカッション など |
②日本人TOEICクラス研修会(新年度に向けての研修会)
日時 | 平成30年2月19日 午前9時から午後3時 |
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場所 | 京都産業大学1号館(107教室/ 108教室) |
参加者 | TOEICクラス担当の専任4名、実学英語講師18名、非常勤講師5名 その他1名(計28名) |
プログラム概要 | 新年度に向けたカリキュラムの説明、IIBCで本学ご担当の北脇氏によるTOEICテストの現状に関するお話、授業に関する課題解決および発表や模擬授業等の実践的体験型研修 |
③ネイティブ コミュニケーションクラス研修会(新年度に向けての研修会)
②と同日に本学においてコミュニケーションクラス担当者を対象としたカリキュラムの説明、授業運営に関する研修会を実施した。
④日本人 基礎クラス研修会(新年度に向けての研修会)
平成30年2月21日午前に本学において、基礎クラス担当者を対象としたカリキュラムの説明、授業運営に関する研修会を実施した。
3. 総括
(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所
学生のレベルに合わせた最良のカリキュラム提供を意識しており、また担当者の活発な研修活動を通して質の高い授業展開を目指している。
(2)1と2において確認された改善すべき点
TOEIC Bridgeを取り入れた基礎(総合)Ⅱの満足度が低い原因の1つとして、前カリキュラムでは秋学期末に定期試験としてTOEIC L&R IPテストを全員受験するという明確な目標があった。しかし今年度からは基礎レベルはTOEIC L&R IPテストを任意受験とし(成績にも含めず)、授業内容を反映するTOEIC Bridgeテストも定期試験として実施しなかったため、学生にとっては明確な目標を持って学習に取り組むことが困難であった可能性が考えられる。
4.次年度に向けての取り組み
基礎レベルはカリキュラム変更をして2年目に入るため、2年間の成果を注視しつつ、必要に応じて学生がより明確な目標を持って意欲的に取り組めるカリキュラム構築を目指す。また、他のレベル(初級~上級)の成果も合わせて注視していく。