平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 キャリア形成支援 教育科目

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

インターンシップ3

調査名

インターンシップ3 最終授業アンケート

目的

科目に対する受講生の授業理解・満足度を調査するとともにどういった点に満足度を感じているのか明らかにする。また、インターンシッププログラム全体を通しての満足度についても調査している。

調査結果概要

アンケート回答者は、受講生206名の内、188名(回答率91.3%)。
「プログラム全体の内容に対する満足度」については、回答者の97.9%が「満足」あるいは「非常に満足」と回答した(設問は5件法の選択型)。満足の理由としては、事前学習におけるマナー講義での気付きや、事後学習の振り返り等、事前・事後学習における学び等が挙げられていた。
クラス別で行った授業評価について、全6項目のうち4項目で最高評価を得たクラスがある一方、3項目が最低評価であったクラスもあった。 当然のことながら、後者の受講生からは、「担当の先生によって、授業内容が違うのはよくないと思う」といった意見があったが、他のクラス受講生からも、「先生によって授業の進め方に違いがあると聞いたので、他のクラスがどのような授業をされているのか気になった」「クラスによって、学ぶ内容に差が出ているように思えました」といった声が散見され、クラスごとに授業評価でバラつきがあることがわかった。

(参考)

[A]業界研究は思い通りできた:「最大」90.5%「最少」61.1%:【差29.4%】
[B]自分の発表は思い通りできた:「最大」85.0%「最少」28.6%:【差56.4%】
[C]他人の発表は理解できた:「最大」100%「最少」81.0%:【差19.0%】
[D]他人の発表は参考になった:「最大」100%「最少」72.2%:【差27.8%】
[E]グループディスカッションでの議論はインターンシップでの目標設定の参考になった:「最大」100%「最少」77.8%:【差22.2%】
[F]グループディスカッションで自分の考えを発表して得るものがあった: 「最大」100%「最少」68.4%:【差31.6%】

講評

本調査から、本科目が受講生から高い満足度を得ていることが分かった。これは、インターンシップという非日常を経験することだけでなく、事前・事後学習を通じて、実社会での学びを深化できていることが要因として考えられる。
一方で、200名を超える学生が受講することから、事前・事後学習は10クラスに分けて授業運営を行っており、担当教員の属人性が非常に高く、クラスによってばらつきのある点が、毎年本調査で課題となっていることも分かった。
上記課題については、これまでの簡易な教員マニュアルから、「授業の概要」「各講における授業のねらい」「授業進行例」といった、より詳細部分まで記載された教員マニュアルを作成し、担当教員へ配布できるよう、次年度統括教員と担当教員間で議論を重ね、作成に着手している。次年度に向けては、同マニュアルを用いた授業運営を行うことで、複数クラス開講の質保証に注力していく予定である。

O/OCF-PBL2

調査名

O/OCF-PBL2 最終授業アンケート

目的

科目に対する受講生の満足度を調査するとともに、どういった点に満足だと感じているのかを明らかにする。また、本科目が目的とする「学んだことを本科目以外の活動に応用する」ことができているのかについても調査している。

調査結果概要

アンケートは受講生128名全員から回答を得た。(回答率100%)。
「プログラム全体の内容に対する満足度」については、回答者の96%が「満足」あるいは「非常に満足」と回答した(設問は5件法の選択型)。満足の理由としては、「実際に企業の方と直接関わることができ、成長できる部分がとても多かった」、「チームとして活動する中で、協調性を伸ばすことができた」等が挙げられる。
また、本アンケートでは本科目の受講をきっかけに「本科目以外で積極的に取り組んだもの」についても問うている(設問は「ある」、「ない」、「どちらともいえない」の選択)。この問いに対して、31%の受講生が「ある」と回答し、「ない」と回答した受講生は33%であった。「ある」と回答した受講生からは、例えば、ゼミ活動において「O/OCF-PBLで学んだことを活かしてグループワークに取り組むことができた」、「積極的に発言できるようになった」といった具体的な回答が得られた。

講評

本調査から、本科目が受講生から高い満足度を得ていることが分かった。これは、企業等の課題提供機関と連携し、チームで活動する本科目の特性が、受講生にとって大きな刺激となっていることに起因すると考えられる。
一方で、本科目の大きな目的の一つである「学んだことを本科目以外の活動に応用する」という点については、実践できている学生は3割程度に留まっている。このような点も含めて、本科目の応用という面については、受講生への意識付け及び調査の実施方法(実施時期等)も今後の課題である。

2. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

調査対象の科目で共通して見られる長所は、科目設計の上で期待している通り、学生が企業等と関わる実体験から刺激を受けて自身の成長や変化を感じ取ることができている点である。

(2)1と2において確認された改善すべき点

複数クラスを開講しているため、どのクラスでも同じように学びの成果が得られるよう教育の質保証に向けた施策を検討し実施する必要性が高いことが、改めて確認できた(インターンシップ3で顕著な課題である)。また、企業等と関わる実体験は通常の授業と比べて刺激的で受講生の満足度を高めることにつながるが、一過性のその場限りの体験で終わってしまわないように留意して授業を設計する必要があることも、改めて確認できた(O/OCF-PBL2で顕著な課題である)。

3. 次年度に向けての取り組み

効果が出ている点については今後も維持・向上に努める。改めて確認できた課題については、どのような対策を施すか既に検討が進められているので、その成果について調査を実施し、どの程度改善が見られるのかを確認する予定である。
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