平成27年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 キャリア形成支援 教育科目

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

本年度はキャリアプラン系科目(1年次「自己発見と大学生活」、2年次「大学生活と進路選択」、3年次「自己発見とキャリアプラン」)を対象とした。授業出席率80%以上の者(※)は91.2%で大学全体平均を上回る。以下数値は(※)の結果に基づく。シラバスは年次別にそれぞれ68.0%、87.0%、94.0%が確認したと回答した。教育目標の達成度を測る項目をみると、設問6「この授業を受講して、人と対話するコミュニケーションスキルが向上したと思う」に対し「強くそう思う」及び「そう思う」を合わせた肯定的回答の平均値は78.8%であった。年次別の5段階評価平均はそれぞれ4.01、4.12、4.12であり、大規模クラスでも一定の教育成果がみられた。設問4「自己理解が深まった」の肯定的回答の3科目平均値は75.8%であり、特に2、3年次科目では88.6%であった。以下、進路選択を意識し始める2、3年次の平均値をみると、設問9「情報を獲得したいという意欲が高まった」で89.5%、問12「自らキャリア形成をしてゆく意欲が高まった」では87.9%と概ね教育目標を達成しているといえる。しかし一方で、設問8「自己肯定感が向上したと思う」の肯定的回答の3科目平均値は60.4%、2,3年次科目では68.4%と、他項目と比べ値が低い。

2. 「公開授業&ワークショップ」についての報告 

(1)参加人数

  1. 「公開授業」:1年次科目に教学センター、学長室から見学者があった。
  2. 「ワークショップ」:1年次科目では担当教員全員参加の「担当者会議」を学期中3回、有志教員参加の会を週1回開催し情報共有を図っている。2年次、3年次科目は担当教員の打合せを学期開始前後と学期中も適宜2,3回行い情報共有を図っている。

(2)ワークショップでの意見交換内容

  • 初年次に大学生としての意識と他者と対話し協働できる力を身につける意義は高い。支援者「学生ファシリテータ」は授業運営に効果的。(1年次科目)
  • 就職活動前に自分のキャリアを振り返り今後につなげる授業の意義は高い(2,3年次科目)
  • 意欲の違いが学生の取り組み姿勢の差となり、一部受講生に不満がみられる(共通)

3. 総括

(1)1. と2. において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

体系化WGの成果を活用した教育目標である、自己理解、キャリア形成の意欲向上に関しては、対話と省察を軸とした授業構成により一定の成果を挙げている。

(2)1. と2. において確認された改善すべき点

自己理解の深まりと比べて自己肯定感の向上が弱いこと。2年次科目で「キャリア科目を初めて受講した」者が37%、3年次で21%いることの対策も含め、今後の改善をはかりたい。

4. 次年度に向けての取り組み

複数教員担当科目である点を強みとし、授業運営に関する情報共有・意見交換で質的向上を図りたい。学生の自己肯定感と実践力向上のため、成功体験や自己効力感を実感するコンテンツの強化を検討したい。
PAGE TOP