【法学部】特殊詐欺による被害防止のために私たちにできることとは

2023.12.12

ゲストスピーカーの京都府警察 特殊詐欺対策室 政 聖治(つかさ まさはる)警部
法学部の専門教育科目「社会安全政策Ⅱ(各論)」(担当:田村 正博 教授)のゲストスピーカーとして、京都府警察 特殊詐欺対策室 政 聖治(つかさ まさはる)警部をお招きし、特殊詐欺被害の現状と対策についてご自身の警察官としての経験談を交えて講義をしていただきました。詐欺被害に遭わないために私たちができることを学ぶ貴重な機会になりました。
性犯罪被害防止ハンドブック「#ひとり暮らし」
 本学法学部卒業生の政警部は、警察学校卒業後に配置された交番勤務での経験や、現場の警察官が必死で捕まえた犯人を決して逃がしてはならないという重責がかかる留置管理係での24時間3交代制の任務、少年課で経験された捜査などご自身の経験談を語られました。治安協定により京都市役所へ派遣された際には京都産業大学の学生団体「女性安全対策チームAbelia(アベリア)」の活動にも関わられたそうです。

特殊詐欺の現状

【特殊詐欺の定義】
特殊詐欺とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振り込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪(現金等を脅し取る恐喝及び隙を見てキャッシュカード等を窃取する窃盗を含む。)
※インターネットオークション詐欺及びいわゆるワンクリック詐欺を除く。

政警部は特殊詐欺の現状について、「犯人からの電話は毎日鳴り続いている。とても多い」と語られました。全国の被害状況は今年度8月末までに12,555件(前年同期比+2,016件)被害額は約264億3,300万円(前年同期比+約48億1,400万円)に上り、京都府警察へ通報される予兆電話の件数は1日に平均7、8件あるそうです。

被害に遭わないための対策

特殊詐欺の犯人からのファーストコンタクトは8割近くが固定電話に入っており、犯人と話さない工夫が必要です。誰でも騙される可能性はありますが、高齢の方がターゲットになりやすいので、年金支給日である偶数月の15日前後には、ご実家や祖父母宅の電話に対策がなされているか確認してほしいと(予兆電話の一定数が非通知、国際電話番号を悪用しているケースが多い)以下のサービスへの加入を勧められました。

NTTによる特殊詐欺対策への申し込み

以下の有料であったサービスが今年の5月から無料になっています。
・ナンバー・リクエスト(非通知着信を拒否するサービス)
ナンバー・ディスプレイ(相手先名の電話番号を表示するサービス)
※70歳以上のNTT回線契約者、要申し込み(電話、Webサイト
NTT西日本 特殊詐欺対策ダイヤル 0120-931-965
NTT東日本 特殊詐欺対策ダイヤル 0120-722-455


<国際電話番号からの着信を休止する>
「+1」「+44」などから始まる電話番号は国際電話です。
海外との電話発信・着信を無償で止めてもらえます
要申し込み(電話、Webサイト
国際電話不取り扱い受付センター 0120-210-364


楽に大金を稼げるアルバイトは存在しません

続いて主にSNSや知人からの紹介という形で行われている犯罪実行者募集(受け子などの、いわゆる闇バイト)の実態について説明されました。犯行グループに個人情報を絶対に送ってはならないと注意喚起をされ、「騙されたと気が付き、グループを抜けようとすると「家族に危害を与える」などと脅され、しかたなく犯罪におよび、逮捕されたとしても犯罪組織は決して守ってはくれません。」と念を押されました。
<電話相談窓口>
警察相談ダイヤル#9110
ヤングテレホン075-551-7500


講義を通じ、現場からのリアルな声を聞くことができました。社会全体で詐欺被害者を出さないよう、身近な家族はもちろん、電話をしながらATMを操作している人を見かけたら、還付金詐欺の被害に遭っている可能性があるので、少し勇気を出して声をかけるなど私たちにもできる事があることを学べました。警察官志望の学生はもちろん、受講したすべての学生の正義感が鼓舞されるような授業でした。
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