【理学部】宇宙物理・気象学科 安藤准教授が2023年度第16回宇宙科学振興会奨励賞を受賞しました

2024.04.24

宇宙科学振興会奨励賞は、宇宙科学分野で優れた研究業績を挙げ、将来の宇宙科学の発展に大きな役割を果たすことが期待される若手研究者を顕彰するために、公益財団法人宇宙科学振興会によって2008年度に創設されました。この度、理学部宇宙物理・気象学科の安藤 紘基准教授が、受賞しました。

安藤准教授は、⾦星⼤気におけるこれらの課題を念頭に置きつつ、European Space Agency(ESA)の⾦星探査ミッションVEX(Venus Express)の電波掩蔽科学チームの中核メンバーとしてデータ解析を担い、その後、宇宙科学研究所の⾦星探査機「あかつき」の電波掩蔽科学チームで⾦星⼤気に関する多くの科学成果を挙げてきました。このような観測的アプローチに加え、安藤准教授は惑星⼤気科学の確かな素養のもと、数値シミュレーションによる惑星⼤気の物理プロセスの探求で⽬覚ましい成果を挙げています。今回の受賞では、以下の3つの成果が特に評価されました。

  1. ⾦星⼤気の全球的な温度構造を電波掩蔽観測により明らかにしたこと
  2. ⾦星の電波掩蔽データから導出した気温分布の時系列を⽤いて、周期が数⽇の⼤規模な波動の⽴体構造を世界で初めて明らかにしたこと
  3. ⾦星の硫酸雲の3次元構造を⼤気⼤循環の数値シミュレーションで再現したこと

さらには、今後の惑星⼤気科学を⽀える新技術である「データ同化」、すなわち観測データと数値シミュレーションの統合によって物理的に整合した4次元データを⽣成するプロセスにも挑戦しています。このような安藤准教授の研究成果と将来性が評価され、2023年度宇宙科学振興会奨励賞を受賞する運びとなりました。

参考

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